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焼酎談義(北九州編)

Subject: [qsob 167] 焼酎談義(北九州編)
Date: Sat, 4 Oct 2003 12:29:42 +0900
X-Mailer: Lotus Notes Release 5.0.4a July 24, 2000

福田です。これから本格的に焼酎談義を始めたいと思います。

 これから数回に分けてお送りする焼酎談義は、オリジナルは私の
 高校時代の同級生で、焼酎をこよなく愛する人のレポートが主と
 なっています。高校時代の同級生仲間でも、qsobと同じような
 メールのやり取りをして楽しんでいます。
 読んでいてなかなか楽しく、是非皆さんにもお知らせしたく連絡
 するものです。
 私のうんちくなども入れています。焼酎のお湯割が楽しい季節と
 なって来ました。九州以外に居られる方もふるさとを懐かしんで
 頂ければ幸いです。

人気の焼酎といえば、かつては「伊佐美」に始まり「森伊蔵」「魔王」でしたが、
最近では「佐藤の黒」や「村尾」などが東京ではもてはやされているようです。
「森伊蔵」はフランスのシラク大統領がお気に入りとかで、宮崎の麦焼酎「百年の
孤独」にとっての皇太子妃殿下の一言のような影響が感じられます。
しかしまだまだおいしい焼酎は山ほどあります。日本酒と言えば、米を醗酵して
作った酒が一般的でお神酒にも使われますが、世界に名だたるスピリットとしての
地位を焼酎にも与え、「日本酒といえばそれは焼酎!」という時代がいつか来る
かもしれません。
そこで、何回かに分けて私が自分の舌で確認した味と、知る限りのウンチクを
ご披露しようと思います。

まずは麦から。
「いいちこ」は”下町のナポレオン”というキャッチフレーズで市場を地元
以外に福岡や東京に求めて売上を伸ばしましたが、そういうコマーシャルが
流れなくなったのはいつ頃でしたでしょうか。
生産している三和酒類という会社は中津から耶馬溪にかけての四つの蔵元が
共同して作った会社で、社長が順々に交代しています。
現在は熊埜御堂(くまのみどおう)という珍しい苗字の方が社長をしていらっ
しゃいます。
大分のもう一つ有名な「二階堂の麦焼酎」の方が私の好みでおいしいと
思います。
しかし、ご紹介したいのは、宇佐の四ツ谷酒造が作る「兼八」という麦焼酎。
琥珀色の輝き、香ばしい麦の香りといい、喉越しの良さといい、驚きの焼酎です。
麦焼酎の概念が変わるといっても過言ではない個性的な味です。ぜひお試しを。
壱岐の「猿川」をはじめとする壱岐の焼酎は麦で作られ、大分と二分する産地で
す。
壱岐には七つの蔵元があって味を競い合っています。
私にとっては少しアルコール臭の強い壱岐焼酎はあまり好みではありません。
蛇足ですが長崎県で一番大きな平野は、古代一支国のあった壱岐島だそうで、
古来から穀倉地域であったのでしょう。
「壱岐焼酎」は熊本の「球磨焼酎」と並んで、たった二ヶ所だけ産地名が国税局に
認められた場所です。「薩摩焼酎」や「博多焼酎」という呼び名はありません。
地理的表示で認められているのは、世界ではワインのボルドー・シャブリ・シャン
パーニュ、ブランデーのコニャック・アルマニャック、ウィスキーのスコッチ・
バーボン等があります。日本酒にはこのような呼び名は探してもないと思います。
日本三大酒どころとは、灘と伏見と城島(福岡)と言われていますが、地理的
表示はされません。日本各地に地酒という言い方で産地表示はされますが、
あくまで地酒でそれまでです。

自分も初めて魔王や森伊蔵を飲んだのは東京出向中でした。
こちら川内では地元焼酎が一人500円程度で飲み放題の居酒屋もありますので
地元の銘柄でありながら有名な「村尾」などを居酒屋で見かけることは
殆どありません。おそらく置いても需要がないのではないかと思います。

次回は、南に下って「球磨焼酎」を取り上げてみます。

       福田 剛