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焼酎談義(球磨焼酎編)の変更点

+Subject: [qsob 180] 焼酎談義(球磨焼酎編)
+Date: Sun, 12 Oct 2003 11:38:21 +0900
+X-Mailer: Lotus Notes Release 5.0.4a  July 24, 2000
+
+お疲れ様です。六代目の福田です。
+
+ また焼酎談義を続けます。松中君や田中君、梅原君の情報もあり嬉しい
+ 限りです。
+ 「いいちこ」のフラスコボトルや「月天」は自分も飲んだことがなく、
+ いつか試飲してみたいものです。「樹乃下」、梅原君今度是非行きましょう。
+
+  今日は球磨焼酎の話題を。
+ 球磨焼酎と言うと、やはり米焼酎、「六調子」や「白岳」で有名です。
+ 「六調子」のラベルは人間国宝であられた芹沢けい介氏の版画によるものです。
+ 自分の場合、米焼酎はちょっとという先入観があり、以前あまり飲んだことは
+  なかったのですが、飲むとかなりはまります。
+ それでは、ちょっと長くなりますが。
+
+  球磨地方とは人吉盆地を中心にした地域をさします。
+素晴らしい水に恵まれて、米どころとして知られています。そうであれば、清酒と
+いうことになるはずです。ご存知のように、熊本地方は「美少年」とか「瑞鷹」
+「香露」といった素晴らしい日本酒が作られています。
+その他、日本最南端の醸造場「亀萬」酒造(葦北郡津奈木町)などがあり、
+私も福岡に車で帰省する際には、3号線沿いのこの蔵元のそばを通るたび
+もうすぐ田浦先輩の実家のそばを通るんだなあなどと思いながら運転しています。
+
+
+人吉を中心とした相良藩は鎌倉時代に関東より移ってきた家柄です。南に島津77
+万石、北には細川54万石という雄藩にはさまれた小さな藩ですが、2万2千石と
+いう表向きの数字以上に米はとれていたと思われます。島津藩と同様に江戸時代に
+お国替えがなかった数少ない藩です。鹿児島にはシラスが広がり人吉とは正反対に
+米がとれにくい土壌です。そこで薩摩藩は内密に米を相良藩より調達していたよう
+です。この地域に行くには昔はかなりの難路で、相良藩の検知に中央から派遣され
+た役人達は、やっとの思いで人吉にたどり着いたので、人吉から先に広い稲田が
+広がっているとは想像もせずに帰ったため、実質十万石の米に恵まれていたとも
+言われています。
+
+薩摩ではタイから伝わった蒸留技術により「泡盛」を作り出した琉球から技術が
+伝わり、産物の芋で蒸留酒作ることが始まりました。もちろん暖かい気候ですから
+清酒作りには向いていない土地柄です。山を隔てた島津と相良は米の調達以外にも
+何かと交流が深く、お互いに助け合う関係を持続していました。当然焼酎作りも
+伝えられたに違いありません。素材は米、当然米の焼酎が発達した訳です。
+球磨焼酎には29の蔵元があります。株式会社や有限会社などの法人は少なく、
+家族的な経営の小さな蔵が大半です。
+
+ 有名なブランドとしては高橋酒造本店の「白岳のしろ」、夏場は水割りが美味
+しい焼酎でしょう。比較的大きな蔵元の峰の露酒造は「繊月」というブランドを
+持っていますが、「たる繊月」というやや琥珀色した焼酎は、ついついすすんで
+しまう、まろやかな味です。
+
+米焼酎は麦焼酎よりもアルコール臭が少なく、口当たりが良いと思います。
+お湯割よりロックや水割りで飲むほうが美味しいようです。
+数ある米焼酎の中でお勧めは「吟香 鳥飼」、フルーティな香りと味で、焼酎が
+苦手な方もだまされて飲まされても焼酎とは思えない逸品です。さすがに96
+モンデセレクション国際食品コンクールにおいて、グランドゴールドメダル
+(特別金貨)を授与されただけはあります。さらに「かなた」というまた違った
+香りと味わいの焼酎、これも女性にお勧めです。
+変わったところでは「牧場の夢」という日本唯一の牛乳と温泉水で造った焼酎。
+フルーティな香り、まろやかな口あたりはロックが最高です。飲むばかりでなく、
+洗顔や洗髪後の化粧水代わりにお使いになった方々の間でも大好評とか。
+但しこの焼酎は、使用している原料が異なるため球磨焼酎とは認められていない
+そうです。
+
+その他、私もまだ飲んだことはないのですが「文蔵」という美味しい焼酎や
+面白い名前の銘柄で「十年の転寝」や「∞(無限大)」など、沢山の銘柄があり
+ます。
+
+次回は野々下先輩や同期の井福君の住んでいる宮崎に足をのばしたいと思います。